Thursday 23 February 2012

サンドプレーセラピー with 大人のクライアント

カウンセリングはカウンセラーがクライアントとの会話を通して状況や気もちを探索していきます。言語を通して理解・認識しようとする方法です。

砂・水・ミニチュアを使って象徴的に気もちや状況を表現するのがサンドプレーです。セラピストは作り出されたトレーを基に会話を展開します。

私たちは、感情を無意識のうちに隠すことがあります。意識していない事を言語によって対処しようとすることは不可能だということ事は簡単に理解していただけるでしょう。
ところが、隠して忘れてはいても、事実はまだ無意識ながら存在していて現在の行動に影響していることがあるのです。自然に触れることは、処理できていなかった感情に向き合うことのきっかけになります。

これは子どもだけに使われる療法ではありません。カウンセリングとの併用もしくは代替えとして大人にも有効です。JCSのインタビューで子どものクライアンツに焦点を当てた紹介をしていただきました。
文中にコメントしていただいた通り、このセラピーは子どもだけを対象としたものではありません。
しばらく前にこのブログでも大人のクライアンツからの感想などを載せましたが、大人に焦点を当てて書いてみようと思います。

 大人の多くは人生のストーリーをミニチュアを使って表現することから始めます。子どもの方が象徴的な表現をし大人の方が現実的な表現から始めるのは、私たちは教育の中で頭を使って理解するトレーニングを積み重ねてきたからでしょうか。
顔を見て話すカウンセリングと違って創り出されたものを基に会話が展開しますから、話しやすいと感じる方が多いです。第3者的に見れるのも一つの理由でしょう。

  厳しい家庭で育った女性が年老いた母親と一緒に住む難しさを訴えていました。彼女は小さい女の子を自分として選び、鳥かごの中に入れようとずいぶん努力していましたが大きさが合わず結局は自分を籠の後ろに置きました。後で話を聞いてみると、かごに収まらなくて良かった。籠の中にはいたくないと思ったし、現実は私は結婚し自分の生き方があり、もうかごの中にはいないと気づいた。とおっしゃいました。

  時間をかけて自分と娘の人生を表現していた女性に、時間が迫り“あと10分ですよ”声をかけた。途中で終わらせたような形だったが、これは私の人生を現わしているという。娘の部分に時間をかけて滑らかに仕上げ、自分の部分にかける時間がなくなった。娘が幸せなら私は幸せ、とできる限りを尽くして育ててきたのに娘はなぜか反抗的・挑戦的でうまくいかない。自分が幸せなら子どももそれを感じて幸せ、とは考えられなかった彼女が今は自分の気もちに正直に行動してもいいと言う事を受け入れられるようになってきた。
心の底からの変化を生みだす魅力がこのセラピーにはあります。

  遊び、自由表現などと聞くと抵抗を感じる大人は多いかもしれません。
“忙しさの中で遊び心を忘れていました。この経験(遊び)は私を子どもの時のように素直になる助けになったように思います。”と感想をくださった方がいます。

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