Thursday 23 February 2012

座談会 - サンドプレーセラピー for 子どもたち 1

質問者 今日はサンドプレー・セラピーに興味があるけれどいろいろ知らない事がある方が多いと思うので代弁して質問をしたいと思っているんですが。

中沢 なるべくわかり易くお答えしたいと思っています。

質問者 まず、このセラピーは子どものためだけのものではないと読んだんですが。

中沢 そうです。大人のクライアンツも多いです。
子どもと大人とではセラピーの展開が違います。
大人の場合は、まず自分で20分~30分静かに作業してもらってから話すんですが、子どもには話すな、とは言えませんから。

質問者 そうですね。
“砂遊び”の印象が強くて大人にも??と思ってしまいますが。

中沢 忘れてしまった遊び心に触れたことで、“私”に再会した、といったコメントをしたクライアントがいます。
初めてサンドプレーの体験ワークショップに参加した時に、印象に残った人がいます。彼女は自分がカウンセリングなどの助けが必要な状況にあるのをよく承知していて、それでも抵抗があって、“誘ってくれた友達の顔を立てるために来ました。第3者的に見学させてもらうつもりです”と自己紹介したんです。ところがその彼女が一番楽しんで帰って行ったんです。
忙しい生活の中で静かに自分と向き合ってみる時間が無い大人が多いでしょう。そんなシンプルな事が大事な一歩で、それをもとにセラピー的な展開をしていくんです。

質問者 もっと聞きたいですが、今日は子ども対象のセラピーに絞ってお話しを聞くという事で良いですか?

中沢 私は、子ども対象にセラピーをする時には、サンドプレーとう手段にChild Centred Play Therapy の理論を加えて行っています。
子どもの言語的な発達、問題処理をしていく子どもの心のメカニズムを考慮したうえで、子どもが心に詰まらせているものを開放する歩みを支えていくんです。

質問者 恥ずかしいような質問ですが、セラピーの時間中は何をするんですか?
何かテーマを与えて砂遊びをするんですか?

中沢 45分間、純粋に子どもに主導権がある時間です。遊びたければ遊ぶ、何もしたくなければ何もしない、砂じゃなくて床におもちゃを並べて遊びたければそれでも良いんです。もちろんルールがあるんですよ。おもちゃは遊ぶもので投げるものではないとか、もっと遊びたくても時間が来たら終わりにするとか。

質問者 遊ばない子もいるんですか?

中沢 いますよ。
特に初めのうちは、何でこんな所に来なきゃいけないんだとか、知らない人と何して良いかわからないとか、子どもなりの理由で何もしない・何も言わない事は起こります。
信頼関係を築くのが第一関門。

質問者 家や幼稚園で遊ぶのと何が違うんですか?

中沢 子どもたちは大概の事(嫌だった事、痛かったこと、悔しかったこと、悲しかったこと)は毎日の遊びの中で清算していきます。
たとえば、青い車で遊びたかったのに友達が貸してくれなかったとか、もっとお菓子が欲しかったのにお母さんはくれなかったとか、日常茶飯事のことは遊んでいるうちに無意識のうちに“もう、いいや”という事に収まっていく。ところがそれでは処理しきれない出来事が起こるとセラピーという助けが必要になってくるんです。

質問者 トラウマとかいった経験ですか?

中沢 子どもは大人が思いもよらない所でいろんな感情をため込んでしまう事があります。
大人の目からは何も起こっていないようでも子どもにしたら大変な出来事だったとうことがあるんです。受け止め方が違ったり、理解力がまだ育っていなかったり理由は色々です。
結果として行動に現れてくるんです。

質問者 セラピーの中で明らかになったことを親と話し合って改善していくんですか?

中沢 カウンセリングやセラピーを行う時には必ず守秘義務の説明をします。
セッションの内容を他に話さない義務です。例外は、裁判所からの要請、本人・他人の命にかかわる心配がある時、クライアントの許可を得た。
クライアントが3歳でも同じ立場です。
親と話す時には、具体的に子どもが何を言った何をして遊んだという事は話しませんが、遊びの中でどんな変化が起こっているかを観察に基づいて報告します。
親子一緒、兄弟一緒にセッションをするやり方があります。子どもも親も自分で表現しあってもらうやり方です。

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